コロコロ変わる上司に振り回されない|会社を辞めたいと思ったら整えたい5つの準備

全社員に配る給与のお知らせを作っていたときのことです。

内容は合っている。数字も確認済み。それなのに、見せるたびに直しが入りました。言い回し、余白の取り方、線の細さ、色。しかも、その時の気分で指示がコロコロ変わり、そのたびに振り回され仕事が進まない。

3回目に線の修正を指示された時、ふと思いました。本筋に関係ない修正を上司の気分に合わせて何度も直すより、運用の仕組みや業務の改善に時間を使いたいなあ。あ〜あ、作業時間も集中力も削られるなと。

これまでに仕事をしてきて、疲れるのは仕事の量ではありません。「誰にとって、何がよくなるのか」が見えないまま手を動かす時間です。いつも「迷い」ながら進むのは脳に負荷が掛かりドッと疲れます。

会社を辞めたいと思うのは、仕事の質を大事にしているからです。

辞めるか、残るか。どちらを選ぶにしても、材料をそろえて自分で決めることが大事です。改善できるかを確かめることも、自分の専門性を守るために外の選択肢を持っておくことも、どちらも前向きな準備です。

この記事では、自分で納得して決めるための5つの準備を整理します。

担当者

上司が苦手なだけで転職を考えるのは、わがままでしょうか。

うさチュウ

苦手かどうかより、仕事に何が起きたかで見よう。業務への影響、責任や権限が不明確、そこに実害があるのか、ここに居て長期的に成長し収入アップにつながるのかが重要だよ。

目次

この記事は、仕事を回せず、部下への配慮もない上司への対策です

  • 指示に一貫性がなく曖昧で、何を求められているか分からない
  • 話を聞いてくれない
  • 確認や判断を依頼しても上司で止まる
  • 仕事を丸投げする・必要な支援を受けられない
  • 機嫌で態度が変わる・人前で恥をかかせる言動がある
  • 大声で相手を萎縮させ、従わせようとする

結論:見るのは「仕事の質を守れる職場か」

お天気のように気分がコロコロ変わる、都合よく相手をうごかす、成果を搾取される、人によって態度が違う、組織に悪影響を及ぼす上司。見るのは人柄ではなく、仕事が成立するかどうかです。

  • 指示と判断が安定しているか
  • 質問や改善提案を受け止めてもらえるか
  • 仕事の質を守れるか

ちなみに、職場のパワーハラスメントには定義があります。厚生労働省「あかるい職場応援団」によると、次の3つを全て満たすものを指します。

職場のパワーハラスメントの定義(3つを全て満たすもの)

職場において行われる
① 優越的な関係を背景とした言動であって、
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるもの

厚生労働省「あかるい職場応援団」

そして該当するかどうかは、言動の目的・経緯・態様・頻度・継続性などを総合的に考慮して判断されます。その場で自分ひとりが断定するものではありません。

だからこそ、迷っている段階では断定より記録です。
もちろん暴言、暴力、などいじめを黙認している組織からは脱出を計画しよう。

上司に振り回されて疲れたときに、できる5つの準備

期間は目安です。気になるところから始めても、いくつかを同時に進めても構いません。

1〜2週間:合わせる工夫と、確認のしかたを変える

上司とは表面上、協力的で親しみのある部下を演じておくのも方法のひとつです。これは上司のためではなく自分のためです。また、上司からの指示は日付と期限をメモします。口頭で頼まれたものは、「期限・優先順位・最終判断者」をチャットで確認して文字に残します。(証拠を残す)

⭐ これは自分を守るためです。あとで「そんなことは言っていない」となったときに、記憶で戦わずに済みます。

1〜2か月:仕事を進めるうえでの具体的な支障を記録する

「いつ、誰から、なんと言われ、何が変わり、どのような支障がでたか、残業が何時間出たか」を残します。影響範囲や承認者も書いておくと、自分のミスなのか、進め方の問題なのかが見分けられます。

記録していると、「品質の問題ではない」ことに気づきます。

私の場合、上司として役割のある仕事を、教えるからやって欲しいと頼まれました。いざ引き受けると上司自身が内容を理解していないため指示が曖昧です。分からない部分を質問すると、自分に聞かれても分からないと丸投げされて困りました。この時の上司は業務への理解が不十分だったため、グループ内が混乱しましたが、記録があると「そんなこと言ってない」「そういうつもりはなかった」と誤魔化せません。

⭐ これは記録しないと見えません。その場では「自分の理解が足りなかったのかな」と思ってしまうからです。

2〜3か月:社内で改善できる余地を確認する

社内異動、上司の上司、人事への相談ルート、評価への影響を確認します。

社外にも窓口があります。厚生労働省の総合労働相談コーナーは、予約不要・無料で、専門の相談員が面談または電話で対応します。相談者のプライバシーの保護に配慮した対応が行われます。

⚠️ ただし解決を保証するものではありません。「助言・指導」や「あっせん」を案内する窓口です。相談する前に、匿名で相談できるか、話した内容がどこまで共有されるかを先に確認しておくと安心です。

3〜4か月:これまでの経験を棚卸しする

自分がやってきた仕事を、具体的な言葉で書き出します。給与計算の担当者なら、担当社数・従業員数、月次給与、賞与、年末調整、社会保険、住民税、給与システム、改善した経験。書き出してみると、思っているより多いはずです。

何を書けばいいか迷ったら、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)「人事事務」が参考になります。人事管理・給与の算出・社会保険の手続きなど、この仕事に含まれる作業が国の基準で並んでいます。自分がやってきたことに印をつけていくだけで、棚卸しの下書きになります。

⭐ 棚卸しをすると、自分に選択肢があることが見えてきます。選択肢があると分かってから決めるのと、無いと思い込んだまま我慢するのとでは、同じ結論でも気持ちがまるで違います。

4〜6か月:求人を比較し、面接で運営を確かめる

働き方の型を比べます。給与計算の担当者なら、インハウス(自社の給与計算)、シェアードサービス、BPO、労務寄りといった選び方があります。

面接では、待遇だけでなく運営のしかたを聞きます。

  • 指示系統と、最終判断者は誰か
  • マニュアルはあるか。更新されているか
  • 改善提案はどう扱われるか
  • チームの人数と、繁忙期の残業
  • 前任者の離職理由

内定が出たら、年収・通勤や在宅・繁忙期・上司・制度・成長機会を点数にして、いまの職場よりはっきり良いかを確かめます。

品質に実害が出たら、それは好みの問題ではありません

ここが分かれ目です。

上司が作成する資料の最新情報を伝えたところ聞く耳持たず、古い内容のまま準備を進め、誤った内容で周知されたことがあります。こんな時も口頭だけでなくチャットで残していると安心です。

制度は常に改定されていきます。誤った情報を従業員に届けてしまうとリカバリーや問い合わせ対応が大変です。

上司との相性の話ではなく、この職場で仕事の質を守れるのかという話になったとき。それは、環境を変える検討をしていい段階です。

担当者

でも、辞めたら周りにどう思われるか気になります。

うさチュウ

記録して、社内で確かめて、人事に相談して、それでも変わらなかった。自分の責任はきっちり果たし、そこまでやった人が次へ動くのは、前向きな選択だよ。次へいっても成功する人だと思う。

転職の軸を「人間関係」だけにしない

「上司が嫌だから」だけで選ぶと、次も同じ場所を選んでしまうことがあります。求人票と面接で見る基準を、先に3つ決めておきます。

  1. 裁量権がある(自分の頭で考えて行動できる)
  2. 自分の頑張った結果が正当に評価される
  3. 仕事の目的と貢献先が見える

資格は「何を深めたいか」を決めてから

資格を急いで取る必要はありません。自分がどの分野を深めたいか(給与計算の担当者なら、給与計算・社会保険・労務制度・業務改善など)を決めてから、試験範囲・学習時間・費用・実務で使う場面を比べます。

⚠️ 資格だけで転職が決まったり、昇給が保証されたりはしません。「その資格で、何ができるようになるか」を確認してから選んでください。

在職中に整理したいなら、厚生労働省委託事業の個人向け無料キャリアコンサルティングもあります。在職労働者・求職者が対象(学生を除く)で、事前にジョブ・カードを作成したうえで相談します。

⚠️ 職業紹介は行っていません。求人を紹介される場ではなく、考えを整理する場です。

まとめ:専門性を守るために、選択肢を持つ

「上司が苦手だから」と、自分を責めなくて大丈夫です。

人間関係で仕事に支障が出るのであれば、環境を変える検討には筋があります。記録する・社内で確かめる・経験を棚卸しする・求人を比較する

材料がそろえば、感情だけでなく事実で決められます。動くのも、「やっぱり残る」と決めるのも、自分で選んだ立派な結論です。

最後に、3つの問い

集めた材料をもとに、次の3つの問いに自分の言葉で答えてみてください。正解はありません。

  1. 今の上司のもとで、仕事の質を守れそう?
  2. 異動や相談など、社内で変えられる余地はありそう?
  3. 自分の経験を、ほかの職場で活かしてみたい?

当てはまるものは、1つでも複数でも構いません。近いものから見てみましょう。

「守れそう」が多い残って工夫する。確認のしかたと記録を続けながら、自分の仕事の質を守る
「社内に余地がありそう」社内で動く。上司の上司や人事に相談する、異動の希望を出す
「ほかの職場で活かしたい」外の選択肢を見る。棚卸しした経験をもとに求人を比べ、面接で運営のしかたを確かめる

どれを選んでも、材料を見て自分で選んだ答えです。

担当者

ほかの職場で活かしてみたい気もするけど、自分の経験がどう見られるのか分からなくて……。

うさチュウ

棚卸しした経験を、外の人に見てもらうのもひとつの方法だよ。求人を眺めるだけでもいいし、くわしい人に話を聞いてみてもいい。どこまで進むかは、自分で決めていいんだよ。

よくある質問

上司が原因で会社を辞めたいと思うのは、おかしいですか?

おかしくありません。辞めるか残るかを自分で決めるために、確かめておけることがあります。指示が変わることで手戻りや残業が実際に何時間出ているか、仕事の質に影響が出ているかを記録してください。なお、上司の独り言や貧乏ゆすりが気になるという段階だけでは、ハラスメントとは断定できません。事実が集まれば、好き嫌いではなく仕事の問題として判断できます。

相談したら、会社に知られてしまいませんか?

最初に「匿名で相談できるか」「話した内容がどこまで共有されるか」を確認してください。厚生労働省の総合労働相談コーナーは、相談者のプライバシーの保護に配慮した対応を行っています。ただし解決を保証する窓口ではなく、「助言・指導」や「あっせん」を案内する場です。

転職活動を始めたら、すぐ辞めなければいけませんか?

その必要はありません。求人を眺める、職務経歴書を下書きする、面接で運営のしかたを確かめる——ここまでやってから、納得できる時期を決めれば十分です。見るだけでやめても構いません。

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参考情報源

※この記事は、給与計算実務の経験にもとづいて書いています。職場のハラスメントに当たるかなど個別の判断は、社内窓口や公的な相談窓口へご相談ください。制度・窓口の最新情報は、各公式サイトでご確認ください。

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