てどりちゃん去年、子どもの年収が105万円で「扶養から外れます」って言われたんです。今年も同じくらいなんですけど、やっぱりダメですか?



それ、今年から入れるかもしれないよ。2026年分から基準が上がって、給与だけなら年収136万円まで大丈夫になったんだ。去年の感覚のままだと、使える控除を見逃しちゃう。
⚠️ この記事の金額は「2026年9月11日時点」のものです
扶養控除の金額は、ここ2年で2回変わりました。この記事を読んでいる時点で、また変わっているかもしれません。
⭐ 申告書を出す前に、国税庁「No.1180 扶養控除」で最新の金額をご確認ください。このページには、いつ時点の法令かが必ず書いてあります。
この記事は「どこを見て、何を確認すればいいか」をお伝えするものです。金額そのものは、国税庁のページが正本です。
結論:扶養控除のポイントをひと目で
扶養控除は「配偶者以外の扶養親族」を養っている人が受けられる所得控除です。
- 対象:16歳以上の親族(子ども・親・祖父母など)
- 条件:生計を一にしていて、対象者の年間合計所得金額が一定額以下
- 控除額:扶養する人の年齢で変わる(19〜22歳がいちばん大きい)
- 手続き:年末調整の「扶養控除等(異動)申告書」に記入
- 2026年分から:所得要件が合計所得62万円以下(給与なら年収136万円以下)に広がりました
なお、配偶者(夫・妻)については「配偶者控除」「配偶者特別控除」が別途あるため、扶養控除の対象外です。
問題の本質:扶養控除が複雑に見える理由
扶養控除について混乱しやすい理由は、次の3点です。
- 年齢によって控除額が異なる(16歳以上で適用開始・19〜22歳は増額される)
- 社会保険の「扶養」と混同しやすい(税法上の扶養と、健康保険・年金の扶養はまったく別の制度)
- 2年続けて所得要件が引き上げられた(令和7年度・令和8年度と続けて改正。扶養に入れる範囲が広がっています)
この3点を正確に理解することで、年末調整での記入ミスや申告漏れを防ぐことができます。
注意点1:扶養控除の「対象者」とは誰か
扶養控除の対象となる「扶養親族」の4つの条件
所得税法上、扶養控除を受けるには、対象者が次の4つすべてに当てはまる必要があります。
① 親族であること(6親等内の血族、または3親等内の姻族) ② 生計を一にしていること(同居が原則。別居の場合は仕送りなど生活費の援助が必要) ③ 年齢が16歳以上であること(16歳未満は所得税の扶養控除の対象外) ④ 年間の合計所得金額が一定額以下であること(後述)
「親族」の範囲はとても広く、兄弟姉妹・祖父母・おじ・おばなども含まれます。
対象となる続柄の例:
- 子ども(16歳以上)
- 親・祖父母
- 兄弟姉妹
- 配偶者の親(義父・義母)
- 甥・姪(3親等以内の姻族含む)
16歳未満の子どもは所得税の扶養控除の対象外
「小学生・中学生の子どもも扶養控除を使えると思っていた」という方がいますが、2011年の税制改正以降、15歳以下(16歳未満)の子どもは所得税の扶養控除の対象外です。これは、子育て支援として「児童手当」制度が整備されたことによる変更です。
ただし、住民税(地方税)の一部の控除については異なる取り扱いとなる場合があります。
注意点2:所得要件——2026年分から「年収136万円」が目安です
合計所得金額の上限(扶養に入る側の収入の目安)
2025年(令和7年)の税制改正により、扶養親族の年間合計所得金額の上限が引き上げられました。
| 適用年 | 合計所得金額の上限 | 給与収入だけの場合の目安 |
|---|---|---|
| 2025年分(令和7年) | 58万円以下 | 年収123万円以下 |
| 2026年分(令和8年) | 62万円以下 | 年収136万円以下 |
(2024年分まではさらに低く、年収103万円が基準でした)
⚠️ 2年続けて引き上げられています。「去年調べたから大丈夫」と思っていると、今年はもっと広がっています。
2026年12月の年末調整では「合計所得金額62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)」が判断ラインです。
⚠️ この改正が施行されるのは令和8年12月1日です。つまり11月までの毎月の給与計算は、まだ改正前の基準で進みます。12月の年末調整で、1年分をまとめて新しい基準で計算し直すしくみです。「10月の給与明細を見たら何も変わっていない」と心配しなくて大丈夫です。
⚠️ 新しく扶養に入れられるようになった家族がいる場合は、勤務先へ「扶養控除等(異動)申告書」を出す必要があります。黙っていても自動では適用されません。
たとえば、パートで年収130万円の子どもや親がいる場合、2025年分までは扶養控除を受けられませんでしたが、2026年分からは条件を満たせば使えます。
これは見直す価値がある大きな変更点ですので、今の段階から対象者の収入を確認しておくことをおすすめします。
合計所得金額とは?
「合計所得金額」は、給与収入から「給与所得控除」を引いた後の金額です。
⭐ ただし、自分で計算しなくて大丈夫です。収入が給与だけなら、「年収136万円以下かどうか」だけ見れば判断できます。上の表の右の列が、そのための目安です。
年金や副業など給与以外の収入がある場合は、合計所得金額の計算が必要になります。国税庁 確定申告書等作成コーナーに金額を入れると自動で計算されるので、そちらが確実です。
注意点3:控除額は年齢によって違う
扶養控除の控除額は、扶養される側の12月31日時点の年齢によって異なります。
| 区分 | 対象年齢(12月31日時点) | 控除額 |
|---|---|---|
| 一般の扶養親族 | 16歳以上(下記以外) | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 19歳〜22歳(大学生世代) | 63万円 |
| 老人扶養親族(別居) | 70歳以上・同居でない | 48万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等) | 70歳以上・同居 | 58万円 |
⚠️ この「58万円」は、税金が安くなる控除の額です。前の章に出てきた「合計所得58万円(令和7年分の所得要件)」とはまったく別のものなので、混同しないでください。片方は”扶養に入れるかの基準”、もう片方は”いくら控除されるか”です。
大学生・専門学校生の子どもがいる場合は「特定扶養親族」として、いちばん大きい控除が使えます。
⚠️ この控除額も改正されることがあります。申告の前に国税庁「No.1180 扶養控除」で最新をご確認ください。
なぜ19〜22歳だけ高いのか?
この年齢は大学・専門学校に通う世代が多く、教育費がかかる一方で子ども自身の収入は少ないことが多いため、税負担を軽くするための優遇措置が設けられています。
70歳以上の「同居老親等」とは?
「同居老親等」とは、70歳以上の親または祖父母が同居している場合に適用される区分です。同居かどうかで控除額が10万円異なりますので、確認が必要です。
解決方法:実際の確認・手続きの流れ
STEP1:扶養控除の対象になるかを事前確認する
年末調整の時期(10〜12月)より前に、以下の点を確認しておきましょう。
- 対象者の12月31日時点の年齢(16歳以上か・何歳か)
- 今年1年間の収入見込み(給与・年金・副業収入などすべて)
- 生計を一にしているか(別居の場合は仕送りの有無と金額)
- 合計所得金額の概算(給与収入 − 給与所得控除)
STEP2:年末調整で申告する
会社員は毎年秋〜冬に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出します。
記入するのは主に以下の項目です。
- 対象者の氏名・続柄・生年月日
- 対象者の年間合計所得金額の見積額
- 区分(一般・特定・老人の別)
- 70歳以上の場合は「同居老親等」か「その他」かの選択
記入後は必ず勤務先の人事・給与担当者に期日までに提出してください。未提出の場合、控除が受けられず、余分な税金を納めることになります。
具体例
ケース①:21歳の子ども(大学3年生・アルバイト)を扶養に入れる場合
- 年齢:21歳(12月31日時点) → 特定扶養親族
- アルバイト年収:85万円 → 136万円以下 ✓
- 生計:仕送りで生活 → 生計を一にしているとみなされる ✓
→ 扶養控除が使えます。特定扶養親族は控除額がいちばん大きい区分なので、税の軽減も大きくなります(具体的な金額は、その人の所得税率によって変わります)。
ケース②:別居している73歳の母親を扶養に入れる場合
- 年齢:73歳(12月31日時点) → 老人扶養親族(同居なし)
- 年金収入:年間110万円 → 公的年金等控除を引くと合計所得金額はほぼゼロ ✓
- 援助:毎月4万円を仕送り → 生計を一にしているとみなされる ✓
→ 扶養控除が使えます。ただし同居していないので「同居老親等」の区分にはなりません(同居のほうが控除額は大きい)。
ケース③:17歳の高校生の子どもがいる場合
- 年齢:17歳 → 一般の扶養親族
- 収入:ほぼなし
- 同居:あり
→ 扶養控除が使えます。⚠️ ただし19歳からの「特定扶養親族」ではなく「一般」の区分です。控除額が変わるので、年齢の確認は毎年必要です。



基準が変わったのは分かりました。でも、うちの会社から何か連絡が来るわけじゃないんですよね?



そうなんだ。自分で「扶養控除等(異動)申告書」に書いて出さないと、適用されない。会社は家族の収入を知らないからね。気づいた人だけが得をするしくみになってる。
今日からできるアクション
- [ ] 扶養に入れている(または入れたい)家族の年齢を確認する
- [ ] 対象者の今年1年間の収入見込みを確認する(給与・年金・副業などすべて)
- [ ] 2026年分から年収136万円以下が目安になったので、以前は外れていた方も再確認する
- [ ] 別居している家族を扶養に入れている場合は、仕送り状況を記録しておく
- [ ] 年末調整の書類(扶養控除等申告書)の記入欄を事前に把握しておく
- [ ] 不明点は国税庁タックスアンサー(No.1180など)または勤務先の担当者に確認する
まとめ
扶養控除は、子どもや親などを養っている方が所得税・住民税の負担を軽くできる大切な制度です。
- 対象は16歳以上の扶養親族(配偶者を除く)
- 控除額は年齢によって変わる(19〜22歳がいちばん大きい)
- 2026年分から所得要件が引き上げられ、年収136万円以下が目安に(2025年分は123万円・2024年分までは103万円でした)
- 年末調整で「扶養控除等申告書」に正確に記入し、期日までに提出することが大切
2年続けて扶養に入れる範囲が広がっています。「前に確認したときは対象外だった」という方も、ぜひ今年の年末調整に向けて改めて見直してみてください。
よくある質問
- 扶養控除は年収いくらまで入れますか?
-
2026年分(令和8年分)からは、給与収入だけなら年収136万円以下が目安です(合計所得金額62万円以下)。2025年分は123万円、2024年分までは103万円でした。2年続けて上がっているので、以前「対象外」と言われた方も確認する価値があります。
- 16歳未満の子どもは扶養控除に入りますか?
-
入りません。2011年の税制改正で、15歳以下は所得税の扶養控除の対象外になりました(児童手当が整備されたため)。ただし住民税では取り扱いが異なる場合があるので、扶養控除等申告書の「16歳未満の扶養親族」欄には記入します。
- 扶養控除はいくら税金が安くなりますか?
-
「控除額 × あなたの所得税率」が目安です。控除額は扶養する人の年齢で決まり、19〜22歳(特定扶養親族)がいちばん大きい区分です。税率は人によって違うため、金額は一律ではありません。正確な控除額は国税庁「No.1180 扶養控除」でご確認ください。
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扶養控除と一緒に確認しておきたいテーマを紹介します。
※この記事は2026年9月11日時点の公的情報をもとにまとめたものです。制度は改正される場合があります。実際の判断は、国税庁の公式情報や、勤務先・専門家にご確認ください。
参考情報源(公的機関)
- 国税庁「No.1180 扶養控除」(合計所得金額58万円以下/令和8年12月1日施行・令和8年分から62万円以下・控除額の4区分)
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」(令和8年分・令和9年分の最低保障額74万円)
- 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」(施行日と適用年分)
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」(公的年金等控除額)
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー(合計所得金額の計算確認に)



