ボーナスが少ないとやる気が下がるのは自然|会社の本音と、自分で決めるための3つの問い

てどりちゃん

今年のボーナス、思ったより少なくて……。友達の会社と比べちゃって、なんだか仕事に身が入らないんだ。

うさチュウ

それはモヤモヤするね。ボーナスが少ないと、お金のことだけじゃなくて、「頑張っても意味がないのかな」って気持ちになりやすいんだよ。

てどりちゃん

ボーナスくらいでやる気がなくなるなんて、わたしって大げさなのかな……。

うさチュウ

大げさじゃないよ。今回は、なぜやる気が下がるのかと、会社はボーナスをどう考えているのかを見てから、てどりちゃん自身がどうしたいかを考えてみよう。

「今年のボーナス、少なかったな」——そう感じた日から、なんとなく仕事に気持ちが入らない。周りと比べて落ち込んだり、「これだけ頑張ったのに」とため息が出たり。そんな状態が続いていませんか。

結論からいうと、ボーナスが少ないことでやる気が下がるのは、自然な反応です。金額そのものも、評価に納得できるかどうかも、どちらも大切なこと。その気持ちを否定しなくて大丈夫です。モヤモヤの正体と会社の考え方が分かると、自分が何に引っかかっているのかが見え、残る・変える・動くのどれを選ぶかを、自分で決められるようになります。

私は給与計算を10年以上担当し、賞与の計算・支給業務にも携わってきました。ボーナスの金額は、本人の頑張りだけでなく、会社の業績や制度の作り方で大きく変わります。少ないのは、あなたの努力が足りないからとは限りません。

この記事でわかること——ボーナスが少ないとやる気が下がる仕組み、会社がボーナスをどう決めているか(企業側の本音)、そして自分のモヤモヤの正体を見つけて、次の一歩を自分で決める3つの問いです。

目次

「ボーナスくらいで?」と思わなくていい

ボーナスが少ないと感じるのは、たとえばこんなときです。

  • 明細を見て、去年より金額が下がっていた
  • 友人や知人の会社のボーナスを聞いて、差を感じた
  • 頑張った実感があるのに、金額に反映されていない気がする
  • 「寸志」程度しか出ない、または出ない年もある

毎月の給料だけでなく、ボーナスも生活や将来の計画に関わる大切なお金です。少ないと感じたことをきっかけに、働き方を考え直しても構いません。

ボーナスが少ないと、やる気が下がる仕組み

金額だけでなく、「どう見てもらえたか」も気になる

厚生労働省の「労働経済の分析」(令和元年版)は、働きがい(ワーク・エンゲイジメント)を高めるものとして、「仕事の資源」という考え方を紹介しています。仕事の資源とは、キャリアを伸ばせる機会や、上司の支え、仕事ぶりへのフィードバックや正当な評価などのことです。そして、働きがいが高い職場ほど、社員の離職率が低く、新入社員も定着しやすい関係がみられると分析しています(関係があるということで、原因と結果までは分かっていません)。

この分析は、職場のさまざまな条件と働きがいの関係を見たもので、ボーナスだけの影響を調べたものではありません。ただ、ボーナスは「この半年の自分は、どう見てもらえたのか」が金額で返ってくる場面でもあります。期待より少ないと、生活への影響に加えて、「頑張りをどう見てもらえたのだろう」と気になることもあるでしょう。金額と評価のどちらがより気になるかは、人によって違います。

たとえば、こんな気持ちの変化はありませんか

  1. 期待する:今期はこれだけ頑張ったから、少しは増えるはず
  2. 差を感じる:明細を見たら、期待より少ない。周りや去年とも比べてしまう
  3. 理由が分からない:なぜこの金額なのか、説明がない・納得できない
  4. 頑張る理由が見えなくなる:「どうせ頑張っても同じ」と感じ始める
  5. やる気が下がる:仕事に気持ちが入らず、この会社でいいのか考え始める

このうち、3番目の「理由が分からない」は、整理の手がかりになることがあります。理由が分かると、気持ちの置き場所が見つかることもあります。逆に、理由が見えないままだと、モヤモヤが次のボーナスまで残ることもあります。

てどりちゃん

たしかに……。金額より、「なんでこれだけなの?」が分からないのがつらいかも。

うさチュウ

そうなんだ。だから次は、会社の側がボーナスをどう決めているのかを見てみよう。理由が分かると、自分のモヤモヤがどこから来ているのかも見えてくるよ。

会社はボーナスをどう決めている?(企業側の本音)

賞与の決まり方は、会社の制度によって違う

賞与制度を設けること自体は、法律で一律に義務づけられていません。就業規則に書く事項のうち、賞与などの「臨時の賃金等」は「定めをする場合においては」書くもの、とされています(労働基準法89条)。

ただし、就業規則や労働契約などで支給の条件や算定の方法が定められている場合は、その内容を確かめる必要があります。業績によって変わる制度もあれば、一定の支給を約束している場合もあり、会社がいつでも自由に減らせるとは限りません(労働基準法・労働契約法)。

会社の業績と、個人の評価が関わることが多い

厚生労働省の就労条件総合調査(令和4年)では、賞与の算定方法として、個人の業績による査定を取り入れていると答えた企業が多くみられました。基本給に一定の率を掛ける方法などと組み合わせる会社もあり、決め方は会社によって違います。

また、大企業を対象とした労働政策研究・研修機構の事例研究では、賞与の支給水準を決めるときに、営業利益などの会社の業績を考慮する例が報告されています。同じ研究では、賞与には生活を支える面もあり、一定の水準を保とうとする動きもみられました。

支給水準・原資会社の業績を反映する制度がある。業績しだいの部分は、個人の頑張りだけでは変えにくい
各人への配分基本給や個人の評価などが関わる場合がある。評価の基準や結果の伝え方で、納得感が変わる
会社ごとのルール会社によって違い、業績だけで決まるわけではない。就業規則・賃金規程や評価制度の資料で確かめる

こうして見ると、ボーナスが少ない理由には、「会社の業績」「自分の評価」「会社の制度そのもの」などが考えられます。どこが関わっているかで、取れる手も変わります。

自分のモヤモヤはどこから? 3つの問い

ここからは、あなた自身の答えを出す時間です。次の3つの問いに、思いつくまま答えてみてください。正解はありません。紙やスマホのメモに書くだけで十分です。

  1. 生活の問い:今のボーナスの金額では、生活や将来の計画に足りない?
  2. 評価の問い:自分の評価の結果や、その理由に納得できていない?
  3. 会社の問い:会社の業績やこの先に、不安を感じている?

気になる問いは、1つでも複数でも構いません。当てはまるところから確かめてみましょう。

生活の問いが気になる年収全体で比べる。ボーナスだけでなく、毎月の給与・手当を含めた年収で、今の会社と求人を比べてみる。求人の賞与は条件で変わることもあるので、固定の月給と分けて比べる。申請すれば付く手当がないかも確かめる
評価の問いが気になる評価の仕組みを確かめる。賞与の算定方法や評価の基準を確かめ、面談で「次に評価が上がる条件」を具体的に聞く。決め方は転職すべきか迷ったら|自分で決めるために確かめたい3つのことが参考になる
会社の問いが気になる会社の見通しと、外の選択肢の両方を見る。賞与の決め方や今後の見通しを会社に確かめる。あわせて、同じ仕事がほかの会社でどう評価されるかを知って、比べる材料を増やす

どの答えを選んでも、それは材料を見て自分で決めた一歩です。残って評価を上げにいくのも、外を見てみるのも、どちらも前向きな選択です。

てどりちゃん

わたしは「会社の問い」かも……。会社の業績しだいのところがあるなら、わたしの頑張りだけじゃ変えにくいのかな。

うさチュウ

そう感じたなら、会社の見通しを確かめるのと一緒に、外の会社で自分の経験がどう評価されるかも知っておくと、比べる材料が増えるよ。求人を眺めるだけでもいいし、くわしい人に話を聞いてみるのもいい。どこまで進むかは、てどりちゃんが決めていいんだよ。

確かめておきたい、ボーナスの決まり

どの答えの人も、自分の会社のボーナスの決まりを知っておくと、判断がしやすくなります。

  • 就業規則・賃金規程:支給の対象になる期間、算定の基準、支給しないことがある条件など
  • 過去の支給実績:会社の業績や自分の評価と、金額の変化に関係がありそうか
  • 評価制度の資料:何が評価され、何が反映されにくいのか

就業規則の作成が義務づけられているのは、常時10人以上の労働者を使用する事業場です(労働基準法89条)。小さな会社で就業規則がないときは、入社時の労働条件通知書や雇用契約書に、賞与の記載がないかを確かめてみてください。書面に記載がないからといって、それだけで支給の約束がないとは限りません。人事や上司に「賞与はどう決まるのか」を聞くのも、当たり前のことです。

なお、決められた賞与が支払われない、説明もないまま一方的に減らされたなど、会社とのトラブルが起きているときは、厚生労働省の総合労働相談コーナーに無料で相談できます(相談先として話を聞いてもらえる窓口で、希望どおりの解決が約束されるわけではありません)。

うさチュウ

ボーナスが少なくて気持ちが落ちるのは、自然なこと。その気持ちを否定しなくていいよ。モヤモヤの正体が見えてくれば、次の一歩は自分で選べるよ。

よくある質問

ボーナスが少なくてやる気が出ないのは、おかしいですか?

おかしくありません。ボーナスは生活や将来に関わるお金で、期待より少ないと、生活への影響に加えて「頑張りをどう見てもらえたのか」が気になることもあります。その気持ちを否定せず、金額・評価・会社のどこが気になっているのかを整理すると、次にできることが見えてきます。

ボーナスが少ないことを理由に転職してもいいですか?

理由になりえます。ボーナスも生活や将来の計画に関わるお金だからです。少ない理由が会社の業績なのか、自分の評価なのか、制度なのかを確かめて、残るか動くかを自分で納得して選ぶことが大切です。

ボーナスはどうやって決まるのですか?

会社ごとに違います。賞与制度を設けること自体は法律で一律に義務づけられていませんが、就業規則や労働契約で支給の条件や算定方法が定められている場合は、その内容によります。会社の業績や個人の評価、基本給などが関わることが多いので、自社の規程で確かめましょう。

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※この記事は2026年10月時点の公的情報にもとづいてまとめたものです。賞与の支給条件・算定方法は会社によって異なります。自社の制度については、就業規則・賃金規程、または勤務先の担当者にご確認ください。

参考情報源(公的機関)

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