【一人で給与計算を回す担当者は大変】相談できない孤独を実務10年以上の目線で言葉にします

担当者

うちの給与計算、わたし一人でやってるから誰にも相談できなくて……。

うさチュウ

それ、結構つらい状況だよね。

担当者

そうなんだよね〜。

うさチュウ

一人で回している担当者は、実はすごく多いんだ。給与確定までの孤独な戦いについて話すね。

締め日が近づく、勤怠閉まらない、イレギュラー対応の発生。まだまだ処理するデータがある。誰にも聞けないまま一人で数字と向き合う。分からないことがあっても、聞ける人はいない。ネットで調べても、自分の会社のケースに合っているのか確信が持てない。公的機関への確認電話繋がらない。銀行送金日までに確定させなくてはと焦る。

「これで合っているのか、誰かに確認したい」——そう思っても、確認できる相手がいない。それが、一人で給与計算を担当している人の、いちばんのしんどさではないでしょうか。

私も給与計算を10年以上担当してきて、同じ孤独を何度も感じてきました。一人で回さざるを得ないのは、この仕事の構造そのものです。

目次

「聞ける人がいない」のは、あなただけではありません

  • 質問したくても詳しい人がいない
  • 前任者はすでに退職していて、引き継ぎ資料も断片的
  • 上司は数字を見るだけで、実務の細かい判断はできない
  • 同業の知り合いもいないので、分かり合える相手がいない

落ち込む必要はありません。これは、この仕事の置かれ方の問題です。

なぜ給与計算は「一人」になりやすいのか

中小企業庁が実施した調査(2015年公表)では、経理・財務を担当する人数について、「1人」と答えた企業が58.2%と最も多いという結果が出ています。給与計算は経理と重なる業務であることが多く、同じような環境の方も少なくはない印象です。

一名体制になりやすい理由は、主に3つ。

① 毎月必ず発生するのに、専任を置くほどの規模ではない
給与計算は毎月止められない業務ですが、従業員数が少ない会社では「専門部署を作るほどの仕事量ではない」と判断されがちです。

② 個人情報と金額を扱うため、担当を増やしにくい
給与という機微な情報を扱う以上、むやみに担当者を増やせません。そのため、個人情報へアクセスできるシステム権限も少人数に絞られます。結果として、信頼できる一人に業務が集中しがちに。

③ 法改正への対応まで、その一人に任される
社会保険料率の改定、年末調整の様式変更、育児休業給付の見直し——制度が変わるたびに、キャッチアップする役目もその一人に乗ります。

一人でやらされているのではなく、一人にせざるを得ない構造の中に、立たされているのです。

「自分にしかできない」は、メリットもあるけど長期的には負担

一人で回していると、いつの間にか「自分がいないと回らない」状態になります。どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

  • 専門性が高まる
  • スケジュールが決まっているので予定を立てやすい
  • 自分の中で手順が完結しているため効率よく処理できる
  • 「この人に聞けばよい」という評価につながり信頼される
  • 業務上の存在感が増す
  • 一連の作業を把握しているため、ミスの傾向や無駄を発見できる
  • スピーディーに運用を改善できる
  • 締日・支給日前に有休を取れない(急病でも休めない)
  • ミスが従業員の生活に直結するため、精神的負担が大きく常に緊張をしている
  • 責任が集中する
  • 繁忙期に残業が増える
  • ダブルチェックが働かない
  • 評価されにくい(問題なく処理して当然と思われ負担や専門性が見えにくい)
  • 制度改正を一人で追い続ける必要がある

ん〜〜〜 数値化できない精神的負担が大きいですね。長期的にはリスクが大きくなりやすい。それだけの業務を、一人で支えているということです。

いま抱えている経験は、消えてなくなりません

一人で回してきた期間は、「誰にも評価されない時間」に感じられるかもしれません。ですが、法改正のたびに自力で調べて対応してきたこと、ミスなく毎月締め続けてきたことは、この仕事の全体像を一人で把握してきたという、簡単には積み上がらない経験です。

いますぐ何かを変える必要はありません。まずは、「一人で抱えているのは自分だけではない」と知っておくことだけで十分です。

うさチュウ

相談できる相手がいないまま、よくここまで一人で回してきたね。それは弱さじゃなくて、ちゃんと積み上がってきた実務経験だよ。

よくある質問

給与計算を一人で担当しているのは、うちの会社だけでしょうか?

いいえ、珍しいことではありません。中小企業庁の調査(2015年公表)でも、経理・財務担当が1人の企業が最も多く58.2%を占めています。給与計算も同じ構造になりやすい業務です。

実務で判断に迷ったとき、社内に相談相手がいない場合はどうすればいいですか?

労働条件や手続き全般については、厚生労働省の総合労働相談コーナーなど公的な無料窓口を利用できます。制度の具体的な計算や解釈については、顧問の社会保険労務士や税理士がいれば確認するのが確実です。

一人で回してきた経験は、この先何かの役に立ちますか?

はい。法改正への対応や年間業務を一人で把握してきた経験は、実務経験として積み上がっています。その経験が外からどう見られるのかについては、関連記事で詳しくお話ししています。

関連記事

一人で抱えてきた経験について、もう少し詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

※この記事は作成時点の公的情報と、給与計算実務の経験にもとづいてまとめたものです。相談窓口の内容は変更される場合があるため、最新の情報は各機関の公式サイトでご確認ください。

参考情報源(公的機関)

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