この記事は、連載「ゼロから学ぶ給与計算」の第4回です。前回は【第3回】残業代の計算方法で、勤怠で増える給与を見ました。ここからは、給与から引くお金に進みます。今回は、控除の中でいちばん大きいことが多い社会保険料のしくみを学びます。
担当者社会保険料って、給与が変わっても毎月同じ額なのはなぜですか? 急に変わる月もあって、どこを見ればいいのか分からなくて……。



社会保険料は、その月の給与そのものではなく、標準報酬月額という「区切りのよい額」で計算するからなんだ。だから、標準報酬月額が変わる時期と、年齢や休業で保険料が変わる月を知っておけば、変わった理由を説明できるようになるよ。
※この回は、会社で働く人の健康保険・介護保険・厚生年金保険の保険料を扱います。雇用保険料は計算のしかたが違うので、次の第5回で説明します。入社・退職の月の保険料は第8回で、算定基礎届などの年間の手続きは第9回で扱います。
この回でできるようになること
- 社会保険料の式と、どの表を見ればよいかが分かる
- 標準報酬月額がいつ決まり、いつ変わるかを説明できる
- 年齢や産休・育休で、保険料が変わる月を判断できる
読む時間の目安:約15分。最後に、確認テスト(5問)と、この回で出てきた用語の説明があります。
まず言葉をそろえよう:給与から引く社会保険料
給与明細で「社会保険料」とまとめて呼ばれるものには、次のものがあります(雇用保険料は第5回)。
| 名前 | かかる人 | 率を決めるところ |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 健康保険に入っている人 | 加入している健康保険 (協会けんぽは都道府県ごと、 健康保険組合は組合ごと) |
| 介護保険料 | 40歳以上65歳未満の人 (介護保険第2号被保険者) | 加入している健康保険 |
| 子ども・子育て支援金 | 健康保険に入っている人 (2026年4月分から) | 国が示す一律の率 (加入している健康保険の 案内で確かめる) |
| 厚生年金保険料 | 厚生年金に入っている人 (原則70歳未満) | 法律で決まった率 (全国同じ) |
どれも、標準報酬月額 × 保険料率で計算します。負担は原則として会社と社員が半分ずつです(労使折半。健康保険法161条・厚生年金保険法82条)。ただし、健康保険組合では、規約で会社の負担割合を多くしている場合があります(健康保険法162条)。給与明細で、子ども・子育て支援金や介護保険料を健康保険料とまとめて表示するか、分けて表示するかは会社によって違います。
保険料の式と、見る表
毎月の給与から引く保険料は、次の式で求めます。
本人が負担する保険料 = 標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2(労使折半の場合)
実際には、毎回かけ算をしなくても、保険料額表で、その人の等級の「本人負担額」(折半なら折半額)を見れば分かります。担当者が確かめることは、次の3つです。
- 等級:その人の標準報酬月額が、いくら(何等級)に決まっているか(決定通知書で確かめる)。健康保険と厚生年金では等級が同じとは限らないので、それぞれの額をそれぞれの表に当てはめる
- 表:使っている保険料額表が、自分の会社が加入している健康保険の、何月分から使う表かまで合っているか(同じ年度でも途中で変わることがある)
- 年齢:介護保険料がかかる人(原則40歳以上65歳未満)に、介護保険料が入った欄を使っているか
健康保険料率や介護保険料率は、年度ごとに見直されることがあります。協会けんぽの料率は都道府県ごとに違うので、協会けんぽ「保険料率」で、事業所のある都道府県の表を確かめます。健康保険組合に入っている会社は、組合から届く案内で確かめます。厚生年金の表は日本年金機構「保険料額表」にあります。
つまずきポイント
1円未満の端数の扱いが、残業代とは違います。給与から本人負担分を引くときは、端数が50銭以下なら切り捨て、50銭を超えたら1円に切り上げます。第3回の割増賃金の「50銭未満切り捨て・50銭以上切り上げ」とは、ちょうど50銭のときの扱いが逆です。ただし、会社と社員の間に特約があれば、特約で処理できます(日本年金機構「保険料の計算方法について」)。保険料額表の折半額に「.50」があるときは、とくに気をつけましょう。
子ども・子育て支援金(2026年4月分から)
2026年4月分の保険料から、健康保険料と一緒に子ども・子育て支援金を納めることになりました(健康保険法156条)。計算は健康保険料と同じで、標準報酬月額・標準賞与額に支援金率をかけ、会社と社員で負担します。4月分を5月に払う給与から引く会社では、5月に払う給与から支援金を引き始めています。
支援金率は、国が示す一律の率です。加入している健康保険の案内で確かめます。給与ソフトでは、健康保険料率に含めて設定するのか、別の項目にするのかが製品によって違います。二重に計算していないかも含めて、製品の案内で設定を確かめておきましょう。なお、会社だけが負担する「子ども・子育て拠出金」とは別のものです。
いつの分を、いつの給与から引く?
社会保険料は、前月分を給与から引くことができる、と法律で決まっています(健康保険法167条・厚生年金保険法84条)。たとえば、4月分の保険料を5月に支払う給与から引き、会社は5月末までに納めます。この記事では、勤務した月と混ざらないよう「◯月に払う給与」と呼びます。


- 保険料は月単位でかかります。月の途中で入社しても、入社した月の分から1か月分かかります
- 辞めるときは、原則として資格を失った日(退職日の翌日)が属する月の前月分までかかります。月末に辞めると引く月が2か月分になることがあるなど、入社・退職の月は第8回でくわしく説明します
つまずきポイント
実務では、その月の分をその月に払う給与から引いている(いわゆる当月控除)会社もあります。どちらの方式かで、入社月・退職月や、保険料が変わった月の引き方が1か月ずれます。自分の会社がどちらで引いているかを、賃金規程・労使協定などの取り決めや、前の年の給与で確かめておきましょう。当月控除をしている場合は、その根拠になる取り決めと、二重に引いたり引き漏れたりしていないかを、責任者に確かめます。
標準報酬月額は、いつ決まり、いつ変わる?
標準報酬月額は、基本給だけでなく、通勤手当や残業代なども含めた報酬をもとに決めます(どの手当が入るかは手当の設定一覧表)。決まったり変わったりするのは、主に次の3つのときです。
| 入社したとき (資格取得時決定) | 入社のときに決めた給与(月給・手当・見込みの残業代など)で決める |
|---|---|
| 毎年9月 (定時決定) | 原則として、4月・5月・6月に支払った報酬の平均で決め直す(支払基礎日数が足りない月は除くなどの決まりがある)。会社が7月に算定基礎届を出し、9月分から翌年8月分まで使う(健康保険法41条)。→ 算定基礎届の書き方 |
| 給与が大きく変わったとき (随時改定) | 基本給や手当など固定的な賃金が変わり、変わった給与を初めて支払った月から3か月の平均で2等級以上の差が出たときなどに、4か月目から改定する。支払基礎日数や、固定的な賃金と報酬の変わる方向などの条件もある。会社が月額変更届を出す(健康保険法43条)。→ 月額変更届とは? |
決まった標準報酬月額は、会社に届く決定通知書で確かめられます(標準報酬月額決定通知書の見方)。
つまずきポイント
9月分の保険料を何月の給与から引くかに気をつけましょう。前月分を引く会社では、定時決定で変わった保険料は10月に払う給与から変わります。9月に払う給与から新しい額で引いてしまうと、1か月早く変わってしまいます。随時改定のときも同じで、「何月分から変わるか」と「何月の給与から引くか」を分けて考えます。


賞与の保険料
対象となる賞与からも、健康保険料・介護保険料・子ども・子育て支援金・厚生年金保険料を引きます。賞与は前月分ではなく、その賞与の分をその賞与から引きます(健康保険法167条2項)。
- 標準賞与額:同じ月に支払った賞与を合わせ、1,000円未満を切り捨てた額(健康保険法45条・厚生年金保険法24条の4)
- 上限:健康保険は年度(4月〜翌年3月)の累計で573万円、厚生年金は1か月150万円(同じ月に分けて払っても合わせて150万円まで)
- 計算:保険料額表は使わず、標準賞与額 × 保険料率で計算し、本人負担分(折半なら半分)を引く
年齢で保険料が変わる月
年齢によって、かかる保険料が変わります。ここで使う「◯歳に達した日」(年齢到達日)は、原則として誕生日の前日です。
| 年齢 | 変わること | 変わる月 |
|---|---|---|
| 40歳 | 介護保険料がかかり始める | 誕生日の前日が属する月の分から |
| 65歳 | 健康保険と一緒に納める介護保険料が かからなくなる(市区町村に納める形に変わる) | 誕生日の前日が属する月の分から かからない |
| 70歳 | 厚生年金の資格を失う (健康保険は続く) | 誕生日の前日が属する月の 前月分まで厚生年金保険料 |
| 75歳 | 健康保険の資格を失い、 後期高齢者医療に移る | 誕生日の当日が属する月の 前月分まで健康保険料 |
例:5月15日生まれの人が40歳になる年は、前日の5月14日が属する5月分から介護保険料がかかります。前月分を引く会社なら、6月に払う給与から介護保険料が入ります。65歳のときも同じで、前月分を引く会社では、65歳になった月に払う給与で、前の月の分の介護保険料を引くことがあります。
※この表は基本の扱いです。健康保険組合では、被扶養者の年齢などにより、本人が40歳未満・65歳以上でも介護保険料を徴収する「特定被保険者」の扱いをしている場合があります(健康保険法附則7条)。組合の規約・案内を確かめてください。


つまずきポイント
40歳・65歳・70歳の判定では、1日生まれの人は1か月早くなります。たとえば6月1日生まれの人は、誕生日の前日が5月31日なので、40歳の介護保険料は5月分からかかります(75歳は誕生日当日で判断するので、この考え方は当てはまりません)。給与ソフトに生年月日を正しく登録しておけば自動で切り替わることが多いですが、切り替わった月の明細を一度目で確かめると安心です。
70歳・75歳では、保険料が終わる月とあわせて、資格の手続きも確かめましょう。70歳到達届は、同じ会社で同じ給与のまま働き続ける場合など、届け出を省略できることがあります。75歳の健康保険の資格喪失の手続きとは分けて、日本年金機構・加入している健康保険の案内を確かめます。
産休・育休中の保険料は免除される
産前産後休業(産休)や育児休業等(育休)の間は、会社が申し出ると、本人分も会社分も保険料が免除されます(健康保険法159条・159条の3、厚生年金保険法81条の2・81条の2の2)。
| 産休 | 産休を始めた日が属する月から、産休が終わる日の翌日が属する月の前月まで |
|---|---|
| 育休 | 育休を始めた日が属する月から、育休が終わる日の翌日が属する月の前月まで。 始めた月と終わる日の翌日の月が同じでも、その月の中で14日以上休めば、その月も免除 |
| 育休中の賞与 | 賞与を支払った月の末日を含んで、連続した1か月を超える育休をしているときだけ免除(14日以上のルールは賞与には使わない) |
免除の間も、将来の年金の計算では、保険料を納めた期間として扱われます(日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」)。


つまずきポイント
免除は、会社が申し出てはじめて受けられます。協会けんぽの健康保険と厚生年金は日本年金機構へ、健康保険組合の健康保険は加入している組合へ申し出ます。健康保険組合に入っている会社も、厚生年金の手続きを忘れないようにしましょう。具体的な出し方や時期は、それぞれの案内で確かめます。休業の予定が延びたり、早く終わったりしたときも届け出が必要です。
免除の月は、休業の開始日・終了日から判断します。月末に休んでいる月だけでなく、同じ月の中で14日以上休んだ月も免除になることがあるので、開始日・終了日を人事から早めに受け取れる流れを作っておきましょう。そのうえで、免除される「何月分」を、控除の方式に合わせて正しい「何月に払う給与」に反映します。
給与ソフトで確かめる4つの設定
- 保険料率:健康保険(加入している健康保険・都道府県)・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金の率が、何月分から使う率まで合っているか(健康保険組合で会社の負担割合が多い場合は、本人負担の設定も)
- 生年月日:40歳・65歳・70歳・75歳の切り替えが、正しい月で行われるか
- 控除の方式:前月分を引く設定か、当月分を引く設定か
- 免除の設定:産休・育休の人の免除の月が、届け出た期間と合っているか
経理と話すときの言葉
給与から引いた社員の負担分は、会社が一時的に預かって納めるお金なので、帳簿では「預り金」などで記録します。会社が負担する分は「法定福利費」などの科目で記録します。科目名や分け方は会社によって違うので、経理担当に確かめておきましょう。
ワーク:自分の会社の「社会保険料のルール」を書き出そう
前の年の給与データや、届いた通知を見ながら、次の表を埋めてみてください。
| 確かめること | 自分の会社 |
|---|---|
| 加入している健康保険 | 協会けんぽ( 支部)/ 健康保険組合( ) |
| 今使っている保険料額表 | ( )年( )月分から |
| 控除の方式 | 前月分を引く/当月分を引く |
| 9月分の保険料を引く給与 | ( )月支払の給与 |
| 保険料の端数 | 50銭以下切り捨て・50銭超切り上げ/ 特約あり( ) |
| 子ども・子育て支援金の設定 | 健康保険料に含める/別の項目 |
| 給与明細での表示 | まとめて表示/分けて表示 |
| 今年40歳・65歳・70歳・75歳に なる人 | ( )人 切り替わる月:( ) |
| 産休・育休の人の 開始日・終了日を受け取る方法 | ( ) |
| 保険料の帳簿の科目 | 本人分( )・会社分( ) |
うさチュウとQ&A



社員から「残業が多かったのに、社会保険料が変わらないのはなぜ?」と聞かれました。



社会保険料は、その月の給与ではなく標準報酬月額で計算するからだよ。残業代は4月〜6月の平均に入って、9月分からの標準報酬月額に反映されるんだ。ただ、基本給や手当が変わった月から3か月の平均で2等級以上変わったときは、随時改定になることもあるから、固定的な賃金が変わっていないかも見ておこうね。



40歳になった社員の介護保険料、いつから引けばいいんでしょう?



誕生日の前日が属する月の分からだよ。前月分を引く会社なら、その翌月に払う給与から引き始めることになるね。1日生まれの人は1か月早くなるから気をつけよう。



社会保険料は「標準報酬月額 × 率 ÷ 2」。あとは、いつの分を、いつの給与から引くかをそろえれば、変わった理由を落ち着いて説明できるよ。
確認テスト(5問・答えはクリックで開きます)
Q1. 社会保険料(健康保険・厚生年金)は、その月の給与の額に率をかけて計算しますか?
しません。その月の給与ではなく、標準報酬月額(区切りのよい額)に保険料率をかけ、原則として半分を本人が負担します(健康保険組合では会社の負担が多い場合もあります)。実際には、保険料額表の等級の本人負担額で確かめます。→ 本文:保険料の式と、見る表
Q2. 給与から引く本人負担分に、ちょうど50銭の端数が出ました。どうしますか?(特約はないものとします)
切り捨てます。給与から引くときは、50銭以下は切り捨て、50銭を超えたら1円に切り上げます。割増賃金の端数(50銭以上切り上げ)とは扱いが違います。→ 本文:保険料の式と、見る表
Q3. 前月分を引く会社で、定時決定で9月分から標準報酬月額が変わりました。新しい保険料は何月に払う給与から引きますか?
10月に払う給与からです。9月分の保険料を、10月に支払う給与から引くためです。→ 本文:標準報酬月額は、いつ決まり、いつ変わる?
Q4. 7月1日生まれの人が40歳になる年、介護保険料は何月分からかかりますか?
6月分からです。40歳に達した日は誕生日の前日(6月30日)で、その日が属する月の分からかかります。→ 本文:年齢で保険料が変わる月
Q5. 育休を10日に始め、同じ月の25日に終えました(翌日も同じ月)。その月の保険料は免除されますか?
免除されます。始めた月と終わる日の翌日の月が同じでも、その月の中で育休等の日数が14日以上あれば、その月の保険料は免除されます(会社の申し出が必要。賞与の免除は別の条件です)。→ 本文:産休・育休中の保険料は免除される
よくある質問
- 社会保険料はどうやって計算しますか?
-
健康保険料・介護保険料・子ども・子育て支援金・厚生年金保険料は、標準報酬月額に保険料率をかけて計算し、原則として会社と社員で半分ずつ負担します(健康保険組合では会社の負担割合が多い場合もあります)。実際には、加入している健康保険と日本年金機構の保険料額表で、等級の本人負担額を確かめます。
- 社会保険料はいつの分を給与から引きますか?
-
法律では、前月分の保険料を給与から引くことができると決まっています。たとえば4月分を5月の給与から引きます。会社によってはその月の分をその月の給与から引いていることもあるので、自社の方式を確かめましょう。
- 介護保険料は何歳からかかりますか?
-
原則として40歳からです。40歳に達した日(誕生日の前日)が属する月の分からかかり、65歳に達した日が属する月の分からは健康保険と一緒に納める介護保険料がかからなくなります。1日生まれの人は、どちらも1か月早くなります。健康保険組合では、規約により40歳未満・65歳以上の人から徴収する場合もあります。
この章で出てきた用語
本文で青い文字になっている言葉は、ここで意味を説明しています。分からない言葉が出てきたら、いつでもここに戻ってきてください。
標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)
健康保険料と厚生年金保険料を計算するために、毎月の報酬を区切りのよい等級に当てはめた金額です。健康保険と厚生年金では、等級の数や上限・下限が違います。
介護保険第2号被保険者(かいごほけんだいにごうひほけんしゃ)
40歳以上65歳未満で、健康保険などの医療保険に入っている人です。健康保険料と一緒に介護保険料を納めます。65歳からは第1号被保険者になり、介護保険料は市区町村に納めます。なお、健康保険組合では、規約により40歳未満・65歳以上の人からも介護保険料を徴収する場合があります(特定被保険者)。
子ども・子育て支援金(こども・こそだてしえんきん)
子育て支援の財源として、2026年4月分から健康保険料と一緒に納めるお金です。標準報酬月額・標準賞与額に、国が示す一律の支援金率をかけて計算し、健康保険料と同じように会社と社員で負担します。
労使折半(ろうしせっぱん)
健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料を、会社と社員で半分ずつ負担することです。社員の負担分(折半額)を給与から差し引きます。健康保険組合では、規約で会社の負担割合を多くしている場合があります。
保険料額表(ほけんりょうがくひょう)
標準報酬月額の等級ごとに、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の全額と、会社と社員で半分ずつ負担する場合の折半額を並べた表です。健康保険の分は加入している健康保険(協会けんぽの都道府県・健康保険組合)ごとにあり、料率が変わると新しい表が出ます。会社の負担割合が多い健康保険組合では、組合の表で本人負担額を確かめます。
定時決定(ていじけってい)
毎年、4月・5月・6月に支払った報酬の平均をもとに、標準報酬月額を決め直すことです。会社が算定基礎届を出し、決まった額はその年の9月から翌年8月まで使います。
随時改定(ずいじかいてい)
基本給や手当など固定的な賃金が変わり、変わった給与を初めて支払った月から3か月の報酬の平均で、標準報酬月額が2等級以上変わるときなどに、年の途中で標準報酬月額を改定することです。支払基礎日数などの条件もあります。会社が月額変更届を出し、4か月目から変わります。
標準賞与額(ひょうじゅんしょうよがく)
賞与の保険料を計算するもとになる額です。同じ月に支払った賞与を合わせ、1,000円未満を切り捨てて決めます。上限があり、健康保険は年度の累計で573万円、厚生年金は1か月150万円です。
年齢到達日(ねんれいとうたつび)
法律で「◯歳に達した日」とされる日で、原則として誕生日の前日です。40歳・65歳・70歳で保険料が変わる月は、この日が属する月で考えます(75歳の健康保険の資格喪失は誕生日当日)。
連載「ゼロから学ぶ給与計算」
前の回:【第3回】残業代の計算方法 / 次の回:【第5回】雇用保険料の計算方法
何も知らない状態から、給与計算を自分で計算して確かめられるようになる連載です。上から順に読むと、迷わず進めます。
- 第0回:給与計算の勉強は何から?(入口・目次)
- 第1回:給与計算の1か月の流れ
- 第2回:勤怠から支給額を出す
- 第3回:残業代(割増賃金)の考え方
- 第4回:社会保険料のしくみ
- 第5回:雇用保険料のしくみ
- 第6回:所得税の計算方法(源泉徴収税額表の読み方)
- 第7回:住民税(特別徴収)(準備中)
- 第8回:入社・退職の月の給与計算(準備中)
- 第9回:1年の行事(算定基礎届・年度更新・年末調整)(準備中)
- 第10回:ミスを防ぐ確かめ方(準備中)
関連記事
参考にした公的機関の情報
- e-Gov法令検索「健康保険法」
- e-Gov法令検索「厚生年金保険法」
- e-Gov法令検索「介護保険法」
- 日本年金機構「保険料額表」
- 日本年金機構「保険料の計算方法について」
- 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」
- 日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」
- 日本年金機構「随時改定」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- 協会けんぽ「保険料率」
※この記事は2026年10月時点の公的情報をもとに、一般的な内容をまとめたものです。保険料率は年度ごとに変わることがあります。実際の扱いは、加入している健康保険・日本年金機構の案内と、自社の規程でご確認ください。



